伊達政宗五枚胴を作る
6月の瑞巌寺でのお祭りに向けて、部長も参加すべく政宗風五枚胴の製作中です。
写真は、政宗の兜のしころ、という兜の背面部分の制作で、紐を通すための穴を開けている所。部長はオーダー品など甲冑を作る機会が多いので、ボール盤使ってますが、1,2領程度ならベルトの穴あけパンチをおすすめします。
こんなやつですね。
ホームセンターやネットで買えます。
ベルトの穴あけでの作業中は、無我の境地になれます。やるとよくわかります。最初はいっぱい穴あけるの~と、ちょっと驚きますが、あける内にどんどん「無」になり、甲冑作りの作業も中盤以降になると、「あ?もう穴開け終わったの?まだまだやれるぜ☆」っと、気持ちに変化が現れます。
降りてきてるんですね。甲冑作りの神様が(笑)。
でもそんな気分です。
そして穴を開け終わると、紐を通す作業です。紐と戯れる時間です。
紐を通すことを、甲冑制作用語で「糸威・いとおどし」と言います。
これもまた、最初は間違えたりうまく行かなかったりするんですが、慣れると心地良い時間に入り以下略。
集中作業の合間のコーヒータイムが一層充実しますね~。
ところで、政宗の甲冑がなぜ「五枚胴」と、言われているかというとですね。
胴部分が五枚のパーツから出来ているから
なのです。
前胴と後胴、そして脇。
あれ?三枚?
いえいえ、脇部分に特徴があり、一枚の脇と、二枚の脇、計三枚の脇があるのです。
前胴と後胴と、脇と脇と脇、で、五枚。
そこに「草摺・くさずり」と呼ばれるスカートみたいなパーツを合体させます。
黒くて見えにくいかもしれませんが、六枚の板を紐で繋げて一つの塊にします。六枚段々に重ねてあるから六段、と、表現します。
これを政宗の場合、九個作ります。
甲冑用語では、胴にぶら下がっている草摺の数を「間・けん」という単位で数えます。
政宗の甲冑の場合、草摺の数は九個、段数は六。
なので、
「九間六段」と、表します。
博物館などで、甲冑の解説に「草摺は七間五段」と書いてあれば、それは胴に草摺が七個ついていて、それぞれ五枚を重ねたもの、と、読み取ることが出来ます。
そんな知識も覚えながら、甲冑を作っていくと、実際の甲冑を見た時に新鮮な発見がいっぱいあると思います。
手作り甲冑を通して、当時の技術の高さや構造の面白さも体感してみてください。そして実際に着用して、着心地の良さも味わって下さい。
甲冑は自分のサイズに合わせれば、気持ちいいのです。
気持ちよくなるまで、細部はご自身で工夫して下さい。
ほんとに、どんどん馴染んでいきますよ。
伊達政宗の甲冑が作りたい方は、しげ部の甲冑キットの雪の下胴と同じ価格で
型紙を差し替えて販売いたします。
希望の方は、購入フォームの問い合わせ欄に「政宗の型紙希望」と書いて送って下さい。ただし、大人S,M,Lサイズのみです。
さて、籠手も新調するか!